エウレカセブンのTVシリーズはもっと評価されるべき
2005年のアニメ「交響詩篇エウレカセブン」
トータルで3回は見ただろうか?
(写真は公式サイトより:2017年に閉鎖)
エヴァンゲリオンのように後半が暗くなるので、初回での印象が強すぎて
後半はずっと失速していたイメージがあったのだけれど
最新の見直しでは180度、感想が変わる。
最終話付近が神がかっていた。
「ジ・エンド」のライダー少女「アネモネ」(要するにライバルのパイロット)が
独り言を呟く冒頭
「生まれ変われたら、もっと器用に生きたいな、、、ほんと、あ〜あ。って感じ」
というセリフ
この物語の第一話、少年レントンの
「俺はレントン・サーストン。この街にはなにもない・・・・・ほんと、最悪だ〜」というシーンと呼応している。
涙まじりの声で
「もしも、まだ生きることができたら
小さな手鏡を買って、笑顔の練習をたくさんしよう、
ありがとう、と幸せをたくさんの人につたえよう」
と語りながら戦うシーンは涙なしには見られない。
そして、愛するドミニクと再会して、
「もう、死んでもいい」
「いや、嘘・・・2人でずっと生きていたい」
と弾けるように感情を爆発させるくだりなど、とにかく名シーン。
最終回に関しては後半(Bパート)突入で、いきなり主題歌が流れ燃える展開
「それができるのはお前だけだ」
といわれ、キリッとした顔つきに変わるレントンの成長、(この辺りの描写がいい)
「ゲロンちょ」と呼んでレントンを馬鹿にしていた3人の孤児が
「パパにしかできない!」と
レントンをパパと呼ぶ。
完全に物語として完成されている。
ハイエボリューション(現在進行形の映画)もいいが、やっぱりきちんと3部作でガンダムのように総集編にした方がいい。
(1年のスパンは長い)
敵の親玉「デューイ・ノヴァク」も地球を未知の生命体から取り戻すために「対話」ではなく「殲滅」を選ぶ、という尊厳のために戦っているという大義がきちんとある。ただ、自分の美学への固執があり「これも紛い物か」というセリフに彼の狭量な部分がある。
ハイエボリューションの映画で
月光号の楽しい日常はバッサリカットされたが、ギュッとまとめるならカットせざるをえない。
デューイの声優「辻谷耕史」さんもアクセル・サーストンの「青野武」さんも亡くなっているので録り直すのができないのは惜しい。
後半でレントンの口から出てくる「チャールズ」さん、という言葉がとにかく重く、「家族」という一つのテーマが響いてくる(レイとチャールズという子のできない夫婦の元でレントン少年は家族の温もりを知る)そういう意味でもやっぱり「エウレカセブン」の投げかけていたものは大きい。
いや〜、いい作品だ。
エウレカ3という言葉がやけにワードで流行っているから、お!ついにエウレカセブン ハイエボリューションのラストが公開か、と思いきや「パチスロ」でした( ̄▽ ̄;)
監督の京田知己さんはエヴァンゲリオンの庵野秀夫監督に興味があるそうで、エヴァのようにグチャグチャに進んでいくリメイクではないハイエボリューションの結末はどうなるのか、気になる。