白い巨塔の最終夜がやっぱりよかった。白い巨頭のすごいドラマ構成
最終夜が圧倒的におもしろかった。
凄いなーと思うのが
あのドラマ、前半の教授まで上り詰める過程での
財前(岡田准一)の野心と後半の驕り、
里見(松山ケンイチ)の誠意と姿勢が
きっちり描かれていけば描かれるほどに後半活きてくる、という
見事な構成。
それは財前の奥さんの想いも最後の最後で愛人に
会いに行くように示唆する場面でもいろいろな伏線が活きてくるところがおもしろい。
自分自身がガンのステージⅣになり病床で自らの行為を振り返る。
合併症は手の施しようがないまでになっていく。
気になっていたラストシーン、唐沢寿明版は棺桶が運ばれるなか
手紙の中で
「ただ、無念だ」
と力強く嘆いていた。
(過ちはあったものの私の何が悪いのだ!ともっと唐沢寿明版は強がっていた)
今回は里見という友に対しての
「いつか、きっと、」
と希望という嘘で終わっていた。
最近の五郎ちゃんはつまらなくなったわ、という財前五郎は
最後の最後で嘘をついた。
生き急いだ人間が目の当たりにする
命と心の尊さ、
それが岡田准一版は際立っていた。
そのギャップが胸に迫り、終盤はただただ胸が締め付けられるように痛い。
いやー、見事なドラマだ、と改めて思った。