新海誠監督「雲のむこう、約束の場所」レビュー。やっぱり文学。
新海誠映画は二度見るとさらに味が出る
作品に一貫した作家性が宿っているからだ。
この映画、とんでもない設定で日米がユニオン(いろんな国の連合)と戦争直前の状態で始まる。
さらに愛した人がなんだかよくわからん最終兵器かもしれんのだ。
エヴァはこれがやりたいんじゃないか、というような中二病世界をSFに落とし込む。
で、着目すべきは「君の名は。」とそっくりなシーンがいくつか出てくる。
現実か虚構か間の世界同士で二人が「そこにいるのか?」と確認し合う。
絶対的に違うのが、この作品は暗く、君の名は。は明るいと言う点
やけに文学っぽく(とにかく本を読んでるシーンが出てくる)
モノローグで語るのが新海誠さんの映画に多いが、「君の名は。」はそれを払拭して明るく展開する。ここが「君の名は。」での一つの到達点に思える。
人間の認識の所詮限界があり、主観が世界であり世界は主観ですが、それをロマンチックに大胆に怒涛の展開をさせているのがこれの見どころ、
このくらい引いてみると映画というのは面白い、だから二回目が面白いんだろう。