「大河ドラマ「いだてん」は何だかんだで熱い!」後編「平和と復興の祭典の意味」
前編
一気見してるととにかく熱い、そして深く、重い。
実は一番おもしろい大河なんじゃないか、とさえ思える。
なぜか、というと、
オリンピックという現在進行形の日本の形と、戦争に踏み込んだ社会をリアルに痛感させられるという要素があり、広く世界からみた日本とその中でのドラマが本当に大河ドラマという言葉にぴったりで
第1部、金栗四三(かなくりしそう)編から
2部の河童の田畑に移って、嘉納治五郎(かのうじごろう)の存在感と最期がとにかく印象的に描かれている。
オリンピックを成功させたヒトラーの描写が描。
プロパガンダは成功し、
「挙国一致路線でいくと、それを模倣することになる」という言葉。
ユダヤ人の通訳は閉会式の後に自殺した、という。
熱狂の裏にある政治、葛藤、戦争。
「平和の祭典」だからこそみな、熱くなれる。
オリンピック精神を信じ、その力と意義に熱くなれる。
頑張れ、と叱咤、鼓舞するだけのメダル主義も透けて見えるように描かれていて、
「頑張れ以外にないの!?私はただの言いなりじゃない!」
と女子水泳の前畑。
アジアに祭典を選ぶ意味、関東大震災からの復興、
主義主張、想いあってこその熱狂。
今の多様な時代にそれがあるとするならば、
私なら「自由」に熱狂するかもしれない。
自由、それが認められ人間の強さを発揮するその確信こそ、
まだこの時代に残されたパワーの源泉だと思う。
いや〜、大河ドラマだけにしておくのはもったいないくらい。