映画「ちょっと今から仕事やめてくる」の吉田剛太郎さんの演技が放送できないくらいすごかった
2017年か・・・もっと昔のブラック企業が騒がれたときの映画かと思ったけれど
意外と新しかった。
こういう映画を観ていたい。
ただ物語として感動するだけでなく、我が身、わが社会に問いを投げるような激しい映画。
とりあえず厳しすぎるブラック上司役の吉田剛太郎(よしだこうたろう)さん(いつもごうたろう、と読んでしまう(;^ω^)演技が激しすぎるので・・・・)
情熱大陸に出てた時にテレビの演技で「こんなもんかと思われたくない」と豪語していたのでそれが気になるんだけど、
この映画ではたしかにテレビ放送できないくらいの暴力的な激しい演技をする。
普通に会社で苦しんでいる人には痛切すぎる演技(;'∀')
さらに黒木華(くろきはる)さんの演技もまた痛々しい役を強調する。
いやー、見ていて辛い。
誇張はあるとはいえこれが日本の社会か、と思うと・・・
大企業での過労とパワハラによる自殺、まったくもって身近な問題なはずなのに
解決の糸口は放っとかれたまま世間は次のニュースへ・・・
あまりにシンプルに「大切に思ってくれている人」をリアルに追及する。
愛とか深い話の前に、親は辛い。
そして、「頑張っている人を認めてあげてください」というあまりに正しすぎる言葉。
主人公の青山はあまりに正しい。
これはネタバレなどの前に語り合うべき要素であるから書くとすると
「今の若者は根性もなく、プライド高く、、どこ行っても通用しない!」と言うとする。
果たしてそうだろうか?最後の最後に上司の身体を労り、自分を陥れた人に礼を述べ、
心優しく誠実に道を歩もうとするものが通用しない、とはどんな世界だろうか?
社会が流動する価値観についていけず、若者の心を掴むアイデアを持たないだけではないだろうか(ピータードラッカーのマネジメントでは働く側へのアプローチも重要な要素とされる)
とりあえず、もしもこの話がリアルだったとしたら、
仕事を辞めた場合、この青年ほどしっかりしていないので本当に再就職に苦労するか、暇を持て余して長いこと惰性の日常を送り続ける、、、ということになるだろう。
実家に帰る・・・・選択肢はいくらでもある、、、生きていれば、なんとかなる、というのはまさにその通りだろう。
理屈というのはある程度賢くなるといくらでも相対化できてしまうので個人の悩みはすぐに薄められてしまう。(それに絶大な抵抗をするのが実存哲学だと僕は思っている)
とりあえず、すごくいい映画でした。